昨日(2月25日)、「丹波市木の駅シンポジウム2018」が開催されました。
市民参加による森づくり活動、「丹波市木の駅プロジェクト」の実行委員会と、NPO法人
丹波グリーンパートナーが主催し、下のチラシにもあります5つのテーマについて、先行事
例の報告や、参加者を交えてのグループディスカッションを行いました。
丹波市は、市域の約7割を山林が占めていますが、そのうちのかなりの部分が、昔から
農村が伝統的に共同利用してきた「共有林」で占められています。
言いかえれば、地元の里山は、地元住民が共同で管理してきた地域です。
ただ、近年は、里山の管理に地元住民が関わりにくい状況が続いてきましたので、この
シンポジウムの根底にある課題は、
「もう一度、市民が中心になって共同で里山を管理するには、どんな工夫が必要か?」
というものでしょう。
そうした中、今回、限られた時間の中ですが、5つの小テーマに沿って活発に意見交換
されました。
1. 地域内で担い手が育成できるのか?
2. 暮らしにとって安心・安全な森林とは?
3. 山は金になるのか?
4. 子どもたちが遊べる森林とは?
5. 薪ユーザーとしての森林への関わり方は?
参加者のグループディスカッションからは、こんな意見があがっていました。
1. 地域内で担い手が育成できるのか?
⇒ 誰が教える?現役世代は時間的にムリ?とかいろいろあるけど、
最後は、子ども!子どもが山に親しんで、将来担いたくなるようにするのが大事!
2. 暮らしにとって安心・安全な森林とは?
⇒ 災害に強い山づくりが急務。 また、荒れた森林では安心して親しめない。
平成26年の豪雨災害の教訓から、新しい森づくりの在り方、管理方法を開発して!
子どもの頃から、楽しい山、良い森に親しんで、見分ける目や関わり方を身に着け
ないと、そもそも「安心・安全な森林」のイメージが湧かない。共感できないよね!
3. 山は金になるのか?
⇒ 森林管理に関わることが少しでもお金になる(地域や社会の)仕組みは必要。
材木だけでなく、薪、キノコ、山菜など・・・
また、目の前ですぐ現金に代わる価値以外に、災害に強くなるとか、水、景色、癒し
など(いわゆる自然資本)の価値の向上や、なにより子どもを育む教育価値も高い。
4. 子どもたちが遊べる森林とは?
⇒ 子どもたちの遊び場として、本来、森林の可能性は無限大であることは、年配の方
々が一番ご存知。実体験を通じて自分たちで得るものは、教育効果もかなり高い。
残念ながら、最近の市内の森林は、そのままでは子どもたちだけでなく大人でも入り
にくいところが多いが、既に市内にも何か所か成功事例があるように、手法はある。
でも、現役の親世代で森林との関わり方を知る人が少ないので、担い手としては、
祖父母世代の頑張りが大切!そして子どもらが喜べば、親も自然にレベルアップ?
5. 薪ユーザーとしての森林への関わり方は?
⇒ 森の木を燃料として活かす、あるいは、燃料調達を兼ねて森づくりに参加して、もっ
といろんな森のことを知る、という関わり方は楽しい。さらに、薪のある暮らし、その
独特の暖かさや、時間の流れや、火を見て過ごすこと、火の守りをすることを通じ
て、大人には心の豊かさがあるし、子どもらの情操や価値観にも豊かさが加わる。
などなど、今日明日の課題解決に留まらない、長い目で見た地域づくり、心の豊かさにつながる
素晴らしい意見が交わされました。