クビアカツヤカミキリによる被害
クビアカツヤカミキリは、サクラ、モモ、ウメなど主にバラ科の樹木に発生し、枯死(こし)させる特定外来生物です。クビアカツヤカミキリの幼虫は、樹木に寄生し、内部を食い荒らし枯らしてしまいます。
兵庫県では、令和4年6月に、明石市で初めて成虫が発見されました。その後、神戸市や芦屋市、西宮市でも成虫・フラス(※)が発見されるなど、これまでに4市で被害が確認されています。
成虫は、5月下旬から8月にかけて見られます。フラスは3月下旬から11月にかけて、サクラなどの木の根元などで見つかる場合が多いです。
成虫(提供:兵庫県)
成虫(提供:兵庫県)
フラス(提供:兵庫県) フラス(提供:兵庫県)
(※)フラス…木くずと幼虫が排出するフンが混ざったもの
被害木の中(提供:兵庫県)
原産地など
・原産地:南ロシア、モンゴル、中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム
・体長:2-4cm(触角は含まない)
・特徴:胸部(クビのような部分)が赤色。全体は少し青みがかった黒色。ツヤがある。
・生態:
<幼虫>
樹の中で2~3年かけて成長し、成虫になると樹から出てくる。
3月下旬から11月頃まで、幹や枝に開けた孔(排糞孔)から「フラス」を大量に排出する。
<成虫>
6月から8月頃発生し、樹に楕円の脱出孔を空け脱出する。
樹皮に産卵する。1匹のメスから1000個以上産卵した例があるなど、非常に繁殖力が強い。成虫の寿命は2週間~1ヵ月。成虫は越冬しない。
・被害樹木:サクラ、ウメ、モモ、スモモ、ハナモモ、アンズ、サクランボ等 バラ科の樹木
・主な被害:幼虫は生きている樹に寄生し、樹の内部を食い荒らす。被害が進行すると、木は弱り、枯死し、最後は伐倒する。果樹園では農業被害、街路樹では景観被害、人身被害に繋がる。
・法律:平成30年1月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」の特定外来生物に指定。飼養、保管、運搬、輸入、野外への放出等が禁止されている。
こんな状況を発見したら
・フラス(春~秋)
幼虫は樹木内にいるため通常見えませんが、被害は生きている樹木の幹や根から幼虫が排出するフラスの特徴から、概ね判断することができます。
大量のフラスやうどん状に固まったフラスなど、クビアカツヤカミキリによるもの
と疑わしい状況を発見した場合は、可能な範囲で写真を撮るなどし、兵庫県自然・鳥
獣共生課または丹波市環境課等までご連絡をお願いします。
・成虫(初夏~夏)
成虫を発見した場合は、速やかに物理的に叩き潰す等、捕殺してください。
その他特定外来生物(カミキリムシ類)について
令和5年9月1日から、カミキリムシ科2種(ツヤハダゴマダラカミキリ及びサビイロクワカミキリ)が特定外来生物に指定されました。
・カミキリムシ科2種を特定外来生物に指定する政令の閣議決定について(環境省HP)
参考リンク(外部サイト)