重要里地里山選定地とは
5~6月はヒメボタル、ゲンジホタルの羽化、2~3月にセツブンソウ、
3~5月にアズマイチゲ、4~5月にクマガイソウ、イチリンソウの開花が見られるなど、
里地里山に特徴的な動植物の生息・生育が確認されています。
遠阪川の渓流には特別天然記念物のオオサンショウウオが生息しています。
- 植物
- PLANTS
冷涼な気候に対応した稀少な草花が植生しており、2~3月にはセツブンソウ、ニリンソウ、3~5月にはアズマイチゲ、4~5月にはクマガイソウ、イチリンソウ、4~6月にはクリンソウなどの開花が見られます。
スギ・ヒノキの植林や周辺の開発、外来種の繁茂、シカの急増等で絶滅した植物もあり個体数は減少傾向にありますが、地域の人々の積極的な保全活動もあって減少に歯止めがかかりつつあります。
また、粟鹿山麓などにはミズナラの自然林があり、山々には豊かな植生が広がる一方で、スギやヒノキ等の人工植林の山は、近年の林業衰退により手入れが行き届かないことから山の保水力が低下し、台風や豪雨による倒木の流出や地滑り、鉄砲水など災害の発生が危惧されています。
- 魚類・両生類
- FISHES AND AMPHIBIANS
加古川水系の源流部・遠阪川や今出川の渓流には、冷水で良好な水質を好むアマゴやホトケドジョウ、スナヤツメ、アカザなどの希少な淡水魚が生息しています。
また両生類では、オオサンショウウオやヒダサンショウウオなどが生息しています。
オオサンショウウオは数が極めて少ないことから、種として国の特別記念物に指定されていますが、他にもニホンアカガエルやモリアオガエル、カジカガエル・イモリなども数を減らしており、それらの保護のために生育環境の改善・保全に努める必要があります。
- 昆虫類
- INSECTS
遠阪地区では、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタル、オバボタルが生息し、5〜6月の夜間には、羽化したゲンジホタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの成虫が発光しながら乱舞する姿が見られます。
遠阪川や今出川の流れには豊富な水生昆虫が生息し、中でもヤゴ(幼虫)期を水中で暮らすトンボ類が多く生息しています。4〜11月にかけてさまざまなトンボの成虫を見ることができます。
しかし、アオハダトンボやミヤマアカネ、ハッチョウトンボ、ムカシトンボなど、大きく数を減らしている種も多くなっています。
また、遠阪川の河川敷や田畑の土手、林縁部の草地には、コオロギ類やバッタ類、キリギリス類などが豊富に生息しています。
しかし、かつてよく見られたクツワムシが激減して兵庫県版レッドデータブックCランクに指定されるなど、保護が必要な種も増えてきています。
『青垣いきものふれあいの里』
青垣いきものふれあいの里(兵庫県丹波市青垣町山垣2115-6)では、兵庫県丹波市で見られる主な淡水魚を観察できるほか、植物と生活とのかかわりや身近な野鳥、地形的な特色を学ぶことができます。
1995年に開館。身近な自然の中で、野鳥や昆虫などの小動物および植物の観察を通じて 自然の大切さや自然とのかかわり方を学ぶ施設です。
加古川水系の上流域、佐治川を望む山裾にあり、常設の展示室や学習室を備えた3階建てのビジターセンターと、 約26haのフィールドの中に4コースの散策路を設け、四季折々の自然観察が楽しめる雑木林があります。
当施設では、小学校の環境学習から市民グループの体験企画や観察会まで、幅広く活用されています。
施設の展示内容
淡水魚の飼育・展示コーナーでは、加古川の源流である佐治川についての解説や佐治川等に生息している 身近な魚を飼育し展示しています。氷上回廊の“生き証人”と推定されているオヤニラミ、アブラボテ、 ホトケドジョウなどの貴重な種類も飼育しています。パネル展示では、近隣で見られる特徴的な動植物や、くらしの中で利用されてきた植物、気候や地形、 氷上回廊の概要などを常設で紹介しています。また、季節ごとの企画展として山野草展(春・秋)、自然の恵み展(春・秋)、淡水魚展、つる植物作品展等を開催しています。
里山の散策路
施設に隣接する雑木林には、散策路が設けられています。かつて麓の暮らしに欠かせない里山であったエリアで、 今も多種多様な草木を見ることができます。散策路沿いには、木の名札などを設置しており、 雪の残る早春の花々から晩秋の果実や紅葉まで、四季折々に里山らしい彩りを楽しみながら学べます。
散策路の入口でもあるビジターセンターの玄関口では、毎月、見頃の花や果実などを紹介しています。
3月から7月頃にかけて、雑木林では里山らしい花々のリレーが見られますが、3月中旬頃に咲くキンキマメザクラは、 特に他のサクラ類に先駆けて咲く小さなサクラで、近隣でも珍しい種類です。この雑木林では、 散策路から観察しやすい場所に自生しています。
自然体験イベント
季節ごとに、施設周辺の雑木林や河川などで、自然体験のイベントを主催しています。
毎年、森の小さな観察会、河原探検、昆虫教室、バードウォッチング、星空観察会など、四季の自然を感じられるイベントを企画しており、 親子連れから年配の方々まで、繰り返し参加するリピーターも多くいらっしゃいます。
また、学校向けの環境学習プログラムとして丹波の身近な自然や里山の暮らしを学ぶ場と題し、小学校の環境学習に活用されています。
地元丹波の小学校だけでなく、広く京阪神各地の小学校からの施設利用も受け入れています。
出前事業として小学校や地域へ出かけて行き、環境学習の支援を行うこともあります。
青垣いきものふれあいの里 友の会活動
青垣いきものふれあいの里のファンの方々が中心となって友の会を運営しています。
本施設と共催で様々な観察会やワークショップを開いたり、子どもたちにも楽しいイベントを企画するなど、 地域住民の方々も参加して、里山の自然や文化に触れる様々なプログラムを開催しています。